ベル/テトゥン(ティモール島) | Belu / Tetun ( Timor )

資料整理のため暫定的に公開しています。将来変更します

 ベル Belu、あるいは東ティモールの公用語とされたテトゥン語を話すことからテトゥン Tetun とも呼ばれる。西ティモールのベル県に住む民族である。Belu は西ティモールの主要な民族であるアト二 Atoni(ダワン語を話すことからダワン Dawan とも呼ぶ)による呼称であり、Teto はポルトガル人の与えた呼び名である。東ティモールの諸民族との混乱をさけるため、ここではベルと表記する。


北部 Balu の家屋平面

南部 Balu の家屋平面

北部ベル

NAEKASA 1987
Tasifeto Barat
Halituku
Belu
Wanameta 氏族の家
Belu
Belu
Belu
Belu
Belu

Belu
2018年、Wanameta 氏族の家はすでに現代建築となり、建設中の別の家
Belu
FATUKETI (KEMAK) 1987
Tasifeto Barat
Tenubot
Kemak / Ema 族の集落
Kemak
Beyleto 氏族の家
Kemak
Kemak
Kemak

Kemak
2017年にあたらしく再建。儀礼(竣工時には240棟の山羊を供犠)をふくめた総工費はおよそ1,200,000,000IDR(約1千万円)。屋根には300抱(1抱は20束)のチガヤ lei を使用(1抱15,000IDRで購入)

NAEKASA (KEMAK) 1987
Tasifeto Barat
Nufuak
Kemak / Ema 族の集落
Kemak
Kemak
Kemak

Kemak
2018年、すでに建物はなく、石積みの祭壇 bogos (hatu luli) だけがのこる

Kemak
Kemak
Kemak
Kemak
Kemak
Kemak

Kemak
2017年に建物は倒壊

南部ベル

KAMENASA 1987
Malaka Tengah
1943年に東ティモールから移民した。家屋の間取りは北部ベルにちかく、南部ベルの一般型とは異なる。
Kamenasa
Belu
Belu
Belu
Belu
Belu
Belu
Belu
Belu
Belu
Belu

Belu
Belu
Belu
KLETEK 1987
Malaka Tengah
Belu
Suai
1901年に東ティモールより移民。
Belu
Belu
Belu
Belu
Belu
Belu
Belu
Rainain
土着民の集落。
Belu
Belu
Belu
Belu
Belu
Belu
UMAKATAHAN 1987
Malaka Tengah
Laran
Belu
Belu
Belu
Belu
Belu


Tetun : 400,000 in Indonesia (2011). Total users in all countries 463,500. Alternate names: Belo, Belu, Fehan, Teto, Tettum, Tetu, Tetum, Tetun Belu, Tetung. Dialects : Eastern Tetun (Lakluta, Natarbora, Soibada, Tetun Loos, Tetun Los, Tetun Terik), Southern Tetun (South Belu, Fehan, Lia Fehan, Plains Tetun, Tasi Mane), Northern Tetun (North Belu, Foho, Hill Tetun, Lia Foho, Tasi Feto, Tetun Terik, Tetun Therik).
Ethnologue



Bunak
Timor 島 Bunak (Buna') の家屋
ブナッ | Bunak

Atoni
Timor 島 Atoni (Dawan) の儀礼家屋
アトニ | Atoni

Savu
Savu 島の家屋
サヴ島 | Savu

Kisar
Kisar 島の家屋
キサール島 | Kisar


GEBANG / GEWANG
ベルの文化はグバンヤシなくしては語れない

akar : グバンヤシ(タラバヤシ)。インドネシアで一般に gebang / gewang という。外観はロンタルヤシとよく似る。掌状葉の先端はロンタルヤシより細長くのび、しなやかでマットや屋根葺きに利用する。幹に蓄えるサゴ澱粉は食用になるかわり、樹幹を建材として利用することはあまりない。若葉の葉脈部分は紐として建材の接合に利用される。タラバヤシの名は貝多羅の葉に由来する。紙のかわりに教典を記した貝葉(貝多羅葉)の素材とされている。一生に一度開花し、果実をつくって枯れるため、立枯れのグバンをよく目撃する。 [Corypha utan]


折り畳み傘


グバンの葉先を編んだ丸いマットを男編みklenik mane、小葉を切り離してから四角く編んだマットを女編みklenik fetoという。どちらも家の壁に使う

男編みklenik mane もいろいろ

壁裏の納まり


若葉の小葉を切り離し→数枚重ねて葉脈部分を切り去る→竹へらで揉んで→葉の裏皮をはがして捨て→表の薄皮だけをよく乾燥させてから利用する。これを撚ってできた縄を baku といい、垂木などの部材の結合に使う

タルキとグバンの屋根パネルをbakuで固定する


グバンを葉軸で半分に切り、心材になるトウに葉軸と葉の先端をむすびつけてゆく。このときもちいる紐 knor はグバンの葉脈

葉の間隔をつめて葉軸の付け根をむすぶようにすれば屋根の耐久性もあがる

葺き厚40-50cm程度で30年ちかくもつ

グバンやロンタールヤシの屋根が丸っこく見えるのは隅部の納まりのせい


グバンの葉柄 bebak も活用する

屋根の棟をグバンの葉で覆い

葉柄で置き千木 ai-tatan をつくって固定。かならず奇数個

葉柄を重ねて壁をつくる




[文献]